「天然=やさしい」の誤解

【美肌ステップ1-16】

 

「肌にやさしいものを使いたい」という想いから、

「オーガニック化粧品」や「自然派コスメ」を

選んでいる方は多いのではないでしょうか。
「化学物質は怖い」「天然成分なら安心」という

イメージが広く浸透しています。
 
しかし、

その「オーガニックだから安心」という考え方が、

かえって肌トラブルを招く落とし穴に

なっているとしたら、どう感じますか?

私自身、肌荒れに苦しんだ経験から、

何が本当に肌にとって良いことなのかを

徹底的に研究してきました。
その結論は、

「肌にとって最も大切なのは、

余計な刺激を与えないこと」です。

 

この観点から見ると、

多くのオーガニック化粧品が

「肌にやさしい」とは言えない現実があります。

今回の美肌ステップでは、

オーガニック化粧品に潜む意外な注意点と、

本当に肌を健やかに育むための

化粧品選びの本質について、

深く掘り下げていきます。 

 


 

1. オーガニックの名前に隠れた現実

 

まず、私たちが抱きがちな

「オーガニック」という言葉のイメージを

一度リセットしてみましょう。

多くの方が

「農薬や化学肥料を使わずに

育てられた植物から作られた、安全な化粧品」と

考えているかもしれません。


しかし、現実はもっと複雑です。

実は、日本には化粧品における

「オーガニック」の公的な統一基準が存在しません。

つまり、メーカーが独自に「オーガニック」と

名乗ることができてしまうのが現状です。

この事実は、

以前の美肌ステップでお伝えした

パラベンフリーの落とし穴と似ています。
特定の成分を排除したことをアピールしつつ、

代わりに別の刺激となりうる成分を

配合しているケースがあるように、

「オーガニック」という心地よい響きの裏で、

肌にとって負担となる成分が見過ごされている

可能性があるのです。

 

 

2. やさしさの中に潜む刺激

 

オーガニック化粧品の最大の魅力は、

植物エキスやエッセンシャルオイル(精油)などの

天然成分でしょう。


しかし、この『天然』こそが最も注意すべき点です。

残念ながら肌においては

「天然=やさしい」とは言い切れないのです。

植物は、紫外線や害虫から自らを守るために、

様々な化学物質を体内で作り出しています。
これらの成分はとてもパワフルで、

人間にとっては薬にもなれば、毒にもなります。


特に、香り成分であるエッセンシャルオイルは、

数十〜数百種類の化学物質の集合体であり、

アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)を引き起こす

原因の一つとして知られています。

 

光毒性のある成分
一部の柑橘系精油(特にベルガモットやレモンなど)に

含まれる成分は、肌についた状態で紫外線を浴びると、

シミや炎症を引き起こす「光毒性」を

持つことがあります。

 

アレルギー誘発物質
ラベンダー、ティーツリー、カモミールなど、

「癒やし」のイメージが強い精油でさえ、

アレルギーを引き起こす可能性があります。

肌が敏感な状態のときは、特に注意が必要です。

 

成分の複雑さ
一つの植物エキスに何が含まれているかを

完全に把握することは困難です。

肌が何に反応したのか、原因を特定しにくいという

問題もあります。
肌のバリア機能が低下している敏感肌の方にとって、

多種多様な成分が複雑に混ざり合った植物エキスは、

まさに反応を予測できない成分の集合体なのです。

 


 

「天然の界面活性剤」という罠

洗浄剤においても、

「植物由来」「天然の界面活性剤」を

謳う製品が見られます。

 

例えば、石けん(脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム)も

天然由来の界面活性剤です。


しかし、一般的な石けんはアルカリ性であり

洗浄力が強いため、

肌の保湿に必要な皮脂まで落としてしまい、

バリア機能を低下させる可能性があります。

以前のステップで

「合成界面活性剤」のリスクについてお話ししましたが、

重要なのは「合成か、天然か」の単純な区分けではなく、

 

「その成分が、

肌のバリア機能を壊さずに汚れを落とせるか」

 

という視点です。


天然由来であっても、

洗浄力が強すぎれば肌にとっては負担となる一方で、

配合や製法を工夫したマイルドな石けんであれば、

やさしく洗うことができます。

 

 

3. 本当にやさしい化粧品を選ぶために

 

では、私たちは何を基準に

化粧品を選べばよいのでしょうか。
 
それは「オーガニックか、ケミカルか」という

足し算の発想ではなく、

「肌にとって不要なもの、刺激になる可能性のあるものを、

いかに取り除くか」という引き算の視点です。

 

「何が入っているか」ではなく、

「何が入っていないか」

 

肌が本来持っている「自ら潤う力」を

最大限に引き出すこと。
それがスキンアの原点です。


そのためには、

肌のはたらきを妨げる成分を与えないことが

何よりも重要になります。
 
私が長年の経験からたどり着いた結論は

「完全無添加」という考え方です。
これは、単に特定の成分を避けるだけでなく、

肌に負担をかける可能性のある、

あらゆる成分を徹底的に排除することを意味します。

 


 

あなたの肌で実験してください

 

もし今、オーガニック化粧品を使っていて、

なんとなく肌の調子が整わないと感じているなら、

一度、思いきって お肌を休ませてあげてください。


そして、水だけの洗顔や、ごくシンプルな保湿

(たとえばワセリンや、

ワイエスラボのような完全無添加スキンケアなど)に

切り替えてみてください。

 

数週間後、

あなたの肌はどんな変化を見せるでしょうか。
 
多くの場合、肌は自らの力で潤いを取り戻し、

キメが整い始めます。
それは、これまで与えすぎていた「刺激」から

解放された肌が、本来の機能を取り戻し始めた証拠です。


こうした「素肌の力を再生させる時間」は、

あなたにとって本当に必要なスキンケアが

何かを教えてくれる、最高の実験となるはずです。

 

大切なのは、

「オーガニック」というイメージだけに惑わされず、

全成分表示を自分の目で確認し、

自分の肌にとって本当に必要か、

安全かを見極める意識を持つことです。

 

この美肌ステップが、

あなたが本質的な美肌を手に入れる

きっかけとなりますように。

 

【第1ステップ:実は気がついていない、

お肌に負担がかかっている化粧品をやめる】

   
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