美肌ステップ ~第1ステップ-1~

【第1ステップ-1】
合成界面活性剤の正体を知ろう
〜“やさしさ”の仮面をかぶった成分が肌を壊している〜
あなたの洗顔料やクレンジングの裏ラベルには、
こんな成分名が並んでいませんか?
「ココイルグルタミン酸Na」
「ラウロイルメチルアラニンNa」
「PEG-6」
「ポリソルベート20」──これらは、
いわゆる合成界面活性剤です。
多くの人が、
石油系合成界面活性剤ではない
「アミノ酸系」「非イオン系」界面活性剤と聞くと
「肌にやさしい成分なんでしょ?」と
感じるかもしれません。
実際に市販の洗顔料やクレンジングでは、
「低刺激」「敏感肌用」として
こうした成分が多用されています。
しかし、本当に“やさしい”のでしょうか?
合成界面活性剤とは、
水と油を混ぜる力を持ち、
皮脂やメイクを浮かせて落とすために
使われる成分です。
問題はその“落とす力”の強さにあります。
皮膚の一番外側にある「角質層」は、
天然の保湿因子と脂質で構成される「バリア」です。
このバリアが健康であることが、
美肌の基本条件です。
ところが、
アミノ酸系や非イオン系の合成界面活性剤であっても、
このバリア層に入り込み、
脂質を溶かし出し、
細胞間脂質(セラミド)や
常在菌バランスを破壊することが
わかっています。
つまり「やさしそうな顔」をしながら、
皮膚の構造そのものをじわじわ壊しているのです。
特にアミノ酸系の界面活性剤は、
水に溶けやすく浸透性が高いため、
“内部まで届いて”洗いすぎる性質があります。
結果として、
一見マイルドな使用感にもかかわらず、
長期使用で乾燥、赤み、ヒリつき、ニキビなどが
悪化することがあるのです。
また、非イオン系(ポリソルベートなど)は
乳化作用が強く、
メイクや皮脂だけでなく、
角質の構造を維持する脂質まで奪ってしまいます。
これが
「洗った直後はさっぱりするけれど、
時間が経つと肌がつっぱる」原因です。
本当に肌を守りたいなら、
「落とす成分」を見直すことが最優先。
泡立ちや洗浄力ではなく、
“壊さないかどうか”で
洗顔料やクレンジングを選ぶ時代です。
おすすめは、
オイル単体で行うやさしいクレンジングと
無添加石けんでの洗顔。
肌のバリアを傷つけず、
必要な皮脂は残すケアを選んでいきましょう。
📚参考文献:
- Kubota K, et al. (2020)
The involvement of protein denaturing activity in the effect of surfactants on skin barrier function
Skin Research and Technology, 26(1), 60–66.
https://doi.org/10.1111/srt.12756 - Barany E, et al. (1999)
Biophysical characterization of skin damage and recovery after exposure to different surfactants
Contact Dermatitis, 40(2), 98–103.
https://doi.org/10.1111/j.1600-0536.1999.tb06076.x - Okasaka M, et al. (2019)
Evaluation of anionic surfactants effects on the skin barrier function based on skin permeability
Pharmaceutical Development and Technology, 24(1), 47–53.
https://doi.org/10.1080/10837450.2018.1512172