肌の基礎知識を知ろう

肌の基礎知識 皮膚科医Dr.由香子

【美肌ステップ1-43】

 

すこやかで美しい肌を育てていくために、

まず大切なことは何だと思いますか?
高価な化粧品を塗ることでしょうか、

それとも最新の美容法を試すことでしょうか。
 
もちろん、スキンケア選びも大切ですが、

美肌づくりの出発点は、私たち自身の

「肌の基礎知識」を正しく知ることにあります。
 
肌のしくみを理解すると、

よかれと思って続けていたケアが、

肌に負担をかけていたかもしれない──

そんなふうに、日々のスキンケアの見方が

少し変わっていくはずです。
 
今回は、皮膚の基本的なつくりと、

意外と知られていない化粧品の落とし穴について

お伝えしていきます。

 


 

肌の三構造を知ることが

「美肌への道」の第一歩

 

肌には「自らきれいになる力」が備わっています。
その力を信じ、引き出すためには、

まず皮膚がどのような構造になっているかを

知る必要があります。

皮膚は大きく分けて、外側から順に


「表皮(ひょうひ)」
「真皮(しんぴ)」
「皮下組織(ひかそしき)」
という3つの層
でできています。

 

皮膚は大きく分けて、外側から順に
「表皮(ひょうひ)」
「真皮(しんぴ)」
「皮下組織(ひかそしき)」
という3つの層でできています。

 

 

表皮(保護の役割)
一番外側にあり、

外からの異物や化学物質が

侵入するのを防ぐとともに、

体内の水分が蒸発するのを防いで潤いを保つ、

バリアのような役割を担っています。

 

 

真皮(ハリと弾力の役割)
表皮の下にあり、

肌の弾力やハリを保つコラーゲン組織が

存在するのがこの層です。

 

 

皮下組織(クッションの役割)
最も深い部分にあり、

脂肪細胞がクッションのように

外部の衝撃を吸収したり、

エネルギーを蓄えたりする役割を

果たしています。

 

「なんだか難しそう…」と

感じるかもしれません。
でも、この3つの層がそれぞれ大切な役割を

持っていることを知ることで、

「なぜ肌を守ることが大切なのか」が

見えてきます。

 

すると、『何を与えるか』を

考えるスキンケアではなく、

『肌が本来持っている力を

邪魔しないこと』が大切なのだと、

少しずつわかってくるはずです。

 


 

「レンガ」と「モルタル」の仕組み

 

美肌を語る上で特に重要なのが、

表皮の最も外側にある「角質層」です。
この角質層は非常に強力な

「バリア機能」を持っており、

その構造はよく

「レンガ」と「モルタル」に例えられます。

まず、「レンガ」の部分にあたるのが

「角質細胞」です。
角質細胞の中では、アミノ酸を主成分とした

水溶性の「天然保湿因子(NMF)」が作られていて、

肌のうるおいを保つ働きをしています。

そして、「モルタル」の役割をしているのが、

細胞と細胞の隙間を埋めている

「細胞間脂質」です。
主成分はセラミドで、

水と油が規則正しく重なり合うことで、

非常に強固な壁を作っています。

この構造が、肌の保湿において重要な

役割を担っています。
 
では、なぜ肌はこれほど強い壁を

作っているのでしょうか。

 

 

それは、体の中の水分を逃がさないため。
そして、外から異物や刺激物が

入り込まないように守るためです。

 

肌は本来、

外部のものを簡単に通さないような

仕組みを持っているのです。

 


 

「浸透」の裏側に隠された、

肌への大きな負担

 

多くの人が

「化粧品の有効成分を肌の奥まで届けたい」と

願っているかもしれません。

でも、先ほどお伝えした通り、

本来の肌は外のものを中へ入れない

構造になっています。

「それなら、どうして

今の化粧品は肌に入り込むの?」と

不思議に思いますよね。

 

その背景には

「合成界面活性剤」の存在があります。
合成界面活性剤は、

本来強固であるはずのバリア機能に作用し、

成分を浸透させているのです。

バリア機能(レンガとモルタルの構造)が

崩れると、確かに化粧品の成分は

入りやすくなるかもしれません。


しかしその一方で、

肌にとって有害な成分まで侵入しやすくなり、

さらに体内の水分がどんどん蒸発してしまう

という事態を招きます。

「洗顔後、

すぐに化粧水を塗らないと肌がつっぱる」
「粉をふいてしまう」
そんな状態が続いている場合は、すでに

このバリア機能が弱り、

水分が逃げ出している状態かもしれません。

 


 

表面の『つるつる感』に

安心していませんか?

 

肌に負担をかける化粧品には、

皮膚の表面をコーティングする

ビニールのような成分が配合されている

ことがよくあります。

代表的なのが、合成ポリマーです

これらを塗ると、

肌の手触りがつるっとするため、

肌本来の状態が見えにくくなっている

場合もあります。
表面上の美しさに惑わされ、

肌からのサインを見逃さないように

注意が必要です。

 

本来、肌に必要な天然保湿因子やセラミドは、

皮膚自らが作り出すものです。

 

肌は「化粧品で保湿するもの」ではなく、

「自ら保湿するもの」なのです。

 


 

肌の力を信じる勇気が、本当の美肌を育てる

 

化粧品が担う本当の役割は、

肌が自らうるおう力をやさしくサポートすること。

足りない皮脂を補うように、

肌の働きにそっと寄り添うことです。

まずは、よかれと思って使っていた

「肌に負担をかけている化粧品」を

見直してみることから始めませんか?

肌を信じて、

過剰なケアを手放す勇気を持つこと。


それが、肌が本来持っている

「本物の美肌」を取り戻すための、

最も大切な第1ステップです。

 

 

 

【第1ステップ: 実は気がついていない、

肌に負担をかけている化粧品をやめる】

 

   
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