その体のかゆみ…ボディソープが原因かも?

特に冬になると、スネや背中がカサカサして
粉をふいてしまう…。
そんなお悩みを抱えていませんか?
こまめに保湿をしても、
なかなか改善しないそのかゆみや乾燥、
もしかしたら、
「ボディソープ」が原因かもしれません。
今回は、多くの人が気づいていない
ボディソープの大切な視点について、
少しだけ私の経験も交えてお伝えします。
「かゆい」「かゆくない」を
繰り返して気づいたこと
かなり前の話になりますが、皮膚科医である私も、
ごく普通に市販のボディソープを使っていた時期が
ありました。
「保湿成分配合」「いい香り」という言葉につられて、
日常的に使うようになっていたんです。
冬になると、
時々体がかゆくなることはあったものの、
「乾燥しやすい季節だから仕方ないよね」と
深く考えることはありませんでした。
ところが、ある年の冬は様子が違いました。
かゆみが一気に悪化し、
体中をかきむしってしまうほど。
自分で処方した薬を塗りながら
何とかやり過ごしていましたが、
この時も「ストレスのせいかな…」と
あまり深刻にならず受け流していたのです。
そんなある日、
いつものボディソープが切れてしまい、
家にあった景品の「無添加石鹸」で
仕方なく体を洗うことに。
「香りもないし、その場しのぎ」くらいの
気持ちで使い始めました。
数日後、ふと あることに気づいたんです。
「あれ?そういえば最近、体がかゆくない…!」と。
いつのまにか、
あの刺すようなかゆみが治まっていたのでした。
そんな中、家族がいつものボディソープを
買ってきてくれました。
「久しぶりにいい香りだな~」なんて思いながら
気分良く使ったその日。
お風呂から出た後に、
あの激しいかゆみが一気にぶり返したのです。
「もしかして、
かゆみの原因はボディソープ…?」
このことをきっかけに、
私はボディソープの成分を徹底的に調べました。
そして、その主成分である「合成界面活性剤」が、
いかに肌の構造を壊してしまうかを
思い知らされたのです。
「弱酸性だから肌に優しい」の落とし穴
「でも、CMで
『お肌と同じ弱酸性だから優しい』って
言ってるよ?」そう思いますよね。
かつての私もそう信じていました。
でも、これは巧みな言葉のマジックなんです。
確かに、健康な肌の表面は弱酸性です。
しかし、ボディソープの問題は
pH(酸性かアルカリ性か)ではありません。
問題は、汚れを落とすために配合されている
「合成界面活性剤」という
洗浄成分そのものにあります。
合成界面活性剤は、
水と油を混ぜ合わせる強力な力を持っています。
分かりやすい例でいうと、食器用洗剤です。
ギトギトの油汚れもスッキリ落ちますよね。
でも、素手で使い続けると手が荒れてしまう
経験はありませんか?
ボディソープに含まれる合成界面活性剤も、
これと似た働きをします。
肌の表面には、外部の刺激から体を守り、
内部の水分が逃げないようにするための
大切な「皮脂膜」と「角質層」という
バリア機能があります。
合成界面活性剤は、
この大切なバリア機能を根こそぎ洗い流し、
壊してしまうのです。
ボディソープが肌の乾燥とかゆみを
引き起こす仕組み
1. バリア機能の破壊:合成界面活性剤が、
肌を守る皮脂や細胞間脂質(うるおい成分)を
溶かして洗い流します。
2. 水分の蒸発:バリアが壊れた肌は、無防備な状態に。
内部の水分がどんどん蒸発して、
カサカサの乾燥肌になります。
3. 刺激物の侵入:バリアを失った肌には、
ホコリや化学物質などの外部刺激が簡単に侵入し、
かゆみや炎症を引き起こします。
4. 成分の残留:合成界面活性剤は肌に残りやすく、
洗い流したつもりでも肌の上で
ダメージを与え続けます。
ボディソープ、
裏の成分表を見たことがありますか?
もしお手元にボディソープがあれば、
ぜひ裏の成分表示を見てみてください。
「ラウレス硫酸アンモニウム」
「ラウレス-4カルボン酸Na」…
そんな名前が見つかりませんか?
これらは強力な合成界面活性剤の代表格です。
ある有名なボディソープの成分を調べてみると、
水を除いた主成分のほとんどが、
様々な種類の合成界面活性剤や、
肌に負担をかける可能性のある化学物質で
占められていました。
「赤ちゃんにも使える」と謳っている製品でさえ、
大人の肌の構造を壊してしまうほどの洗浄力を持つ
成分が使われていることも少なくありません。
良い香りの正体である「香料」や、
品質を保つための「防腐剤」も、
肌が弱い方にとっては刺激になることがあります。
今日から、
ボディソープを使うのをやめてみませんか?
そして、代わりに
「固形石鹸」を使ってみてください。
石鹸は、天然の油脂から作られた、
古くからある安心な洗浄剤です。
石鹸のアルカリ性が一時的に
肌のバリアを緩めますが、
肌にはすぐに弱酸性に戻る力
(アルカリ中和能)があり、
合成界面活性剤のように
バリアを破壊し続けることは
ありません。
肌を守るための3つのポイント
1. ボディソープをやめて、固形石鹸に切り替える。
まずはここから始めてみましょう。余計な添加物の入っていない「無添加石鹸」が
おすすめです。
2. 洗い方を見直す。
ナイロンタオルでゴシゴシこするのは、肌のバリアを自ら削り取っているようなもの。
石鹸をよく泡立てて、なでるように優しく洗いましょう。
泡がクッションとなり、汚れを浮かせてくれます。
3. 洗いすぎない勇気を持つ。
すでに乾燥やかゆみがひどい部分は、
無理に石鹸で洗う必要はありません。
お湯で流すだけで、
汗やホコリなどのほとんどの汚れは落ちます。
皮脂の多い胸や背中、足など、気になる部分だけを
石鹸で洗う「部分洗い」で十分なのです。
最初は物足りなく感じるかもしれませんが、
続けていくうちに、
肌が本来持っているうるおいを取り戻し、
かゆみや乾燥が和らいでいくのを実感できるはずです。
お風呂は、一日の疲れを癒す大切なリラックスタイム。
その時間で肌を傷つけるのではなく、
いたわる時間に変えていきましょう。
肌は、あなたが思っている以上に、
自分で美しくなろうとする力を持っています。
その力を信じて、少しだけお手伝いしてあげませんか?
【第1ステップ : 実は気がついていない、
肌に負担をかけている化粧品をやめる】



