コットンより『手』がやさしいわけ

毎日のスキンケア、化粧水はどうやってつけていますか?
「化粧水はコットンでパッティングするのが当たり前」

「拭き取りタイプで角質ケアも一緒に」…

そう思って続けている方も多いかもしれません。

 

でも、コットンは使い方によっては摩擦を生み、

お肌のバリアを傷つけてしのうことも。
今回は、コットンケアにまつわる思い込みと、

それを補う「手のひらケア」の心地よさについて

お伝えしていきます。

 


コットンケアの思わぬ盲点?

見直しておきたい3つのポイント

 

化粧品カウンターや美容雑誌等で、

当たり前のように勧められるコットンですが、

そこには、お肌にとって見過ごせない習慣が隠れています。 

 

 

ポイント1:「手に吸収されてもったいない」の真実

 

これは、本当によく聞く言葉ですね。

でも、考えてみてください。私たちの手のひらは、

顔の皮膚と比べて角質層が厚く、

化粧水がぐんぐん吸収されてしまうような

構造にはなっていません。

手のひらに残る化粧水の感触は、

「吸収された」というより、

単純に表面に残っているだけなんです。

 

むしろ、コットンを使うと、

コットン自体が化粧水をたくさん吸い込んでしまい、

実際にお肌に届く量が減ってしまうことも。
一番もったいないのは、

お肌のためにならない使い方をしてしまうことなのです。

 


 

ポイント2:角質ケアとしての拭き取りに潜む意外なこと

 

「いらない角質をコットンで擦ってとりましょう!」

というアドバイス、これも気をつけたいポイントです。

そもそも、お肌に「いらない角質」なんて存在しません。

角質は、お肌の一番外側で、外部の刺激から肌を守り、

内部の水分が逃げないようにフタをする、

とても大切な「バリア」の役割を担っています。

この大切なバリアを、

コットンで物理的にこすり取ってしまう行為は、

お肌を無防備な状態にしてしまうのと同じこと。
仕事を終えた角質は、肌のターンオーバーによって

自然に垢となって剥がれ落ちていきます。

無理に剥がす必要は全くないんですよ。 

 


 

ポイント3:「コットンの方が均一に塗れる」

という思い込み

 

一見、そのように思えるかもしれません。

でも、コットンの繊維は、

目には見えないレベルでお肌の表面をこすり、

細かな傷をつけてしまいます。

均一に塗るつもりが、

実は均一に刺激を与えていることになりかねません。
お顔には凹凸があります。そのすべてに優しく、

均一に水分を届けるには、

柔らかく、温かい「あなたの手」こそが、

最高のツールなのです。 

 


 

摩擦が引き起こす、肌への深刻なダメージ

 

「少しこするくらい、大丈夫でしょう?」と

思うかもしれません。

しかし、その「少し」の積み重ねが、

お肌にとっては大きな負担となり、

さまざまなトラブルを引き起こす引き金になるのです。 

 

 

顕微鏡で見た「こすられた肌」の現実

 

実際に、日常的にコットンでお肌をこすっている方の

角質を顕微鏡で見てみると、驚くべきことがわかります。

本来、きれいに整列しているはずの角質細胞が乱れ、

未成熟な状態で剥がれかかっているのです。

これは、お城の石垣がボロボロになっているようなもの。

これでは、お肌を守る力も、水分を保つ力も

弱くなってしまいます。

心地よさの裏にある、見えない刺激。

 

 

ダメージ1:バリア機能の破壊と

「乾燥・敏感肌」の加速

 

角質は肌のバリアです。

コットンでこするたびに、このバリアは少しずつ

削り取られていきます。

バリアが弱くなったお肌は、水分を保持する力がなくなり、

どんどん乾燥していきます。

そして、今まで何ともなかった花粉やホコリ、

化粧品の成分にまで反応してしまうような、

敏感な状態に傾いてしまうのです。

 


 

ダメージ2:シミ・くすみの原因となる

「炎症性色素沈着」

 

お肌は、摩擦という「刺激」を受けると、

「守らなきゃ!」と防御反応を起こします。

その一環として、メラニンを作る細胞(メラノサイト)が

活性化してしまうのです。

これが、シミやくすみの正体である「炎症後色素沈着」。
良かれと思って

毎日パッティングや拭き取りを続けていると、

知らず知らずのうちに自分でシミの原因を作っている

ことになりかねません。

バチバチと叩き込むようなケアも、

同じく刺激になるのでやめましょう。

 


 

ダメージ3:肌本来の力を奪い、老化を早める

 

お肌には、自ら潤い、

再生する「素肌力」が備わっています。

しかし、過剰な摩擦や刺激は、

この素晴らしい力を妨げてしまいます。

肌が常に「守り」の態勢に入ってしまうと、

新しい細胞を生み出したり、潤いを保ったりするための

エネルギーが使えなくなってしまうのです。

結果として、肌本来の健やかさが失われ、

見た目の印象も老けさせてしまう可能性があります。 

 


 

素肌力を育てる「手のひら化粧水」のススメ

 

いちばんやさしいのは、手のひらです。

 

手のひらでそっと包み込むように化粧水をなじませると、

摩擦を与えずにうるおいがしっかり届きます。


ポイントは、こすらず『触れているだけ』のやさしい圧と、

1か所10秒のハンドプレス。

 

両頬、おでこ、あご、目元へと手を移しながら、

ゆっくりと押さえていくと、水分が均一に入り、

乾きやすい部分にも自然と行き渡ります。

 

 

 

この方法なら、摩擦による刺激はゼロ。

手のぬくもりが血行を促し、リラックス効果も

高まります。

 

そして何より、

自分の肌の状態を、手で直接感じることができます。

 

「今日は少し乾燥しているな」

「ここは少しざらつくかな?」

 

そんな肌からの

小さなサインに気づけるようになることも、

美肌への大切な一歩ですよ。

 


 

今日からできる、肌に寄り添うスキンケア

 

これまで当たり前のように

続けてきたコットンケアには、

見落としやすい負担が潜んでいることがあります。
摩擦は、乾燥やくすみ、敏感肌など、

あらゆるトラブルのきっかけになることもあるため、

お肌にやさしい方法を選びたいものです。

 

そして、美肌づくりに高価な道具は

必要ではありません。


あなたの「手」こそが、

お肌にいちばん自然でやわらかいケアを

届けてくれる心強い存在です。

 

今日から、化粧水をつける時間を、

お肌とゆっくり向き合う心地よいひとときに

してみませんか?
その小さな習慣が、素肌が持つ本来の力を、

きっと引き出してくれるはずです。

 

 

【第1ステップ:実は気がついていない、

肌に負担をかけている化粧品をやめる】

 

   
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