ナノ粒子を使わない選択

【美肌ステップ1-15】
毎日使うファンデーション。
あなたは、どんなことを基準に選んでいますか?
「SPF値の高さ」「カバー力」「崩れにくさ」…。
もちろん、それらも大切なポイントですよね。
でも今回は、成分表示だけでは見えてこない
「成分の粒子の大きさ」という、
少し掘り下げた内容をお伝えしたいと思います。
じつは、この粒子の『大きさ』が、
知らず知らずのうちに、
あなたのお肌に負担をかけている可能性があるのです。
私は長年ひどい肌荒れに悩み、
さまざまな化粧品を試してきました。
だから、「良かれと思って使っているものが、
実は肌の負担になっていた」と気づいた時のつらさを
よく知っています。
その気づきが、あなたの健やかな肌を育てる
小さなヒントになればうれしいです。
紫外線をブロックする「散乱剤」の仕組み
まず、多くのファンデーションに配合されている
「酸化チタン」や「酸化亜鉛」という成分について
見ていきましょう。
これらは「紫外線散乱剤」と呼ばれ、
お肌の表面で 物理的に紫外線を反射・散乱させて、
日焼けを防いでくれる、
いわば「肌の表面に置く、小さな鏡」のような
働きをしてくれます。
紫外線を化学的に吸収して熱などに変える
「紫外線吸収剤」と違い、
一般的に肌への刺激が少ないとされ、
敏感肌向け製品によく使われる成分です。
白浮きせず、より透明に…「ナノ粒子」化の波
この紫外線散乱剤、とても頼りになる存在なのですが、
弱点があります。
それは、粒子が大きいために、
肌に塗ると白く浮いて見えてしまう「白浮き」が
起きやすいことでした。
そこで、化粧品メーカーは考えます。
「白浮きせず、もっと透明感を出すにはどうすればいいか?」
「もっと紫外線カット効果を高めることはできないか?」
その答えが、成分を「超微粒子化」することでした。
こうして生まれたのが、「ナノ粒子」と呼ばれる、
目に見えないほど小さな粉末です。
ナノ粒子化された酸化チタンや酸化亜鉛は、
白浮きしにくく、肌に透明感を与えてくれます。
さらに、粒子が小さい方が紫外線を
散乱させる力も高まるため、紫外線防御効果もアップ。
まさに、いいことずくめのように思えますよね。
小さな粒子の、大きなリスク
ところが、その「粒子の小ささ」には、
2つの大きなリスクが潜んでいます。
リスク 1:肌のバリア機能をすり抜けてしまう
私たちの健康な皮膚には、外部の刺激から肌の内部を守るための「バリア機能」が
備わっています。
皮膚の細胞と細胞の間には、
約40~60ナノメートル(nm)ほどの隙間があり、
その隙間よりも小さいサイズのナノ粒子も存在します。
本来、肌の表面にとどまって紫外線を反射するはずだった散乱剤が、
バリア機能の網の目をくぐり抜けて、
肌の奥深くまで入り込んでしまったら…?
それは、肌にとって「異物」の侵入に他なりません。この異物が、肌トラブルを引き起こす原因となりうるのです。
リスク 2:小さな粒子が生む「酸化の連鎖」
酸化チタンや酸化亜鉛といった紫外線散乱剤は、紫外線を受けると、肌をサビつかせる「活性酸素」を
発生させるという性質を持っています。
しかもその作用は粒子が小さいほど強くなるのです。
つまり、紫外線カット効果を高めるためにナノ化された粒子は、
皮肉なことに、紫外線を浴びることで
より多くの活性酸素を発生させ、
肌にダメージを与えるリスクも高めます。
ナノ粒子を使わないファンデーションが
生まれるまで
「肌のバリアを守るためには、
ナノ粒子を使うわけにはいかない」──そんな思いに加えて、
絶対に譲れない条件がありました。
◎タルクを使わないこと
◎合成界面活性剤・防腐剤・香料などの添加物を使わないこと
◎大きな粒子でも、白浮きしない仕上がりにすること
「そんな条件では作れない」と言われるのが現実でした。
協力してくれるメーカーを探すのには2年近くかかり、
何度も心が折れそうになりましたが、
信じて待ってくださる方々の存在が、
私を奮い立たせてくれました。
そしてついに、「その条件で作りましょう」と言ってくれる
会社に出会えたのです。
初めて試作品を肌にのせたとき――かゆみもなく、
毛穴が隠れ、しかも崩れない。
まさに求めていた仕上がりでした。
そのときの感動は、今でも鮮明に覚えています。
こうして、
『肌を守るためにナノ粒子を使わない』という信念から、
私たちのファンデーションは生まれました。
あなたの肌を守る、新しい選択基準
「ナノ粒子」は、
透明感や高いUVカット効果という
魅力的なメリットの裏に、
肌のバリア機能を脅かし、
活性酸素を発生させるという
見過ごせないリスクを抱えています。
肌が敏感になっているときや、
肌本来の力を育てていきたいと考えるなら、
「ナノ粒子不使用」という選択肢があることを、
ぜひ知っておいてほしいのです。
あなたの肌は、あなた自身が守り、育てていくものです。
一つ一つの選択を大切に、
今日も肌をいたわってあげてくださいね。
【第1ステップ : 実は気がついていない、お肌に負担がかかっている化粧品をやめる】

