化粧品に潜む「合成ポリマー」の正体 

 

【美肌ステップ1-14】

 

オールインワンゲルや美容液を塗った瞬間、

お肌がピーンと張って、つやつやに見えると

「おお、効いてる!」と嬉しくなりますよね。

でも、その「即効性のあるツヤ」、

お肌が本当に潤っているのでしょうか?
 
今回は、多くの化粧品に潜み「美肌になった」と

錯覚させる成分、「合成ポリマー」について

深掘りしていきます。
ぜひ、ご自身のスキンケアを

見直すきっかけにしてください。

 


 

「合成ポリマー」とは?

 

合成ポリマーとは、

簡単にいうと 「液体のビニール」 のようなもの。
小さな分子がたくさんつながってできた

人工的な高分子で、「重合体」と呼ばれます。

化粧品分野では、塗り心地をよくしたり、

仕上がりをきれいに見せたりするための

『魔法のような成分』として広く使われているのです。

 

なぜ、多くの化粧品に使われるの?

 

合成ポリマーが化粧品に多用されるのには、

いくつかの理由があります。

 

● 安く大量生産できる

  天然の保湿成分に  比べてコストが低い。


● 品質が長持ちする

  化学的に安定し長期間の保管に適している。


● 密着性が高い

  肌に留まりやすく、メイクの見た目を保てる。


● 使用感が良い

  とろみやサラサラ感、ツルツル感を演出できる。

 

あなたのポーチの中にも、合成ポリマーが主役級で入った製品がきっとあるはずです。

 


 

「ツヤ肌」の秘密。

ビニールテープを貼るのと同じ?

 

なぜ合成ポリマーを塗ると、

肌がつややかに見えるのでしょうか。

 

その答えは、とてもシンプルです。

 

皮膚にテープやビニールを貼ると、

ピーンと張ってつるつるに見えますね。

それと同じです。
合成ポリマーが肌表面に均一な「膜」を形成し、

シワや毛穴をなめらかに見せて、

光を反射させツヤを演出しているのです。

 

これは肌の水分量やコラーゲンが増えた結果ではなく、

表面をコーティングすることで生まれる

一時的な錯覚 です。
その即効性は魅力的に映るかもしれませんが、

その下で肌本来の力が

少しずつ奪われているとしたら…?

 


 

見せかけの美しさの代償。

肌が悲鳴をあげる3つの理由

 

合成ポリマーによるコーティングは、

一見すると肌を守っているように

感じるかもしれません。
しかし、実際には

肌の正常な働きを妨げ、

使い続けるうちに肌トラブルの原因に

なることがあります。

 

1.  老廃物の排出と自己保湿力を妨げる


合成ポリマーの強力な膜が毛穴をふさぐと、

汗や皮脂、老廃物が溜まりやすくなり、

ニキビや黒ずみの原因になります。
さらに、常に外部の膜で覆われることで、

肌は「自分で潤う力」を弱めてしまい、

天然の保湿因子や皮脂膜をつくる力が低下。
結果として

「保湿しているつもりが、

かえって乾燥しやすい肌をつくる」

という逆効果を招きかねません。

 

 

2.  美肌菌の働きを妨げ、肌環境を乱す


肌の表面には

「皮膚常在菌(美肌菌)」がいて、

皮脂や汗を利用しながら、

潤いを守る成分や病原菌を防ぐ物質を

つくり出しています。

健やかな肌を保つには、この美肌菌が

心地よく過ごせる状態が欠かせません。
しかし、合成ポリマーの膜で覆われると

通気性が失われ、美肌菌が

減少しやすくなります。
すると逆に、アクネ菌や黄色ブドウ球菌など

トラブルの原因となる菌が増えやすい環境に。
美肌菌が減った肌は、バリア機能が弱まり、

乾燥や敏感、アレルギーなどの不調が

起こりやすくなってしまうのです。

 

3.  ダメージを覆い隠し、根本解決を妨げる


肌が乾燥や刺激を感じている時に、

合成ポリマー入りのクリームを塗ると、

膜が肌表面を覆い、一時的になめらかさやツヤ、

うるおいを感じやすくなります。
一見「効いている」と感じても、

実際には傷んだ肌を隠しているだけ。

根本原因を改善しないまま表面を取り繕うことで、

肌は本来の回復力を失い、

次第に化粧品に頼らざるを得ない「依存肌」に

近づいてしまうでしょう。 

 


 

ビニールのツヤではなく、本当の輝きを

 

一生懸命お手入れしてつやつやに見える肌が、

実はビニールの膜によるものだった

――そう気づくと、

少し戸惑うかもしれません。

 

けれど、その小さな気づきこそが、

本当の美肌へ向かうための確かな一歩です。

 

見せかけのツヤを追い求めるのではなく、

肌本来の力を妨げているものを手放す。

そして、自ら潤い、輝く力を引き出してあげる。
それが、私たちが大切にしたい

スキンケアのあり方です。

 

合成界面活性剤や防腐剤だけでなく、

この「合成ポリマー」という視点からも、

ぜひ一度スキンケアを見直してみてください。

 

 

【第1ステップ : 実は気がついていない、お肌に負担がかかっている化粧品をやめる】

 

   
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