美肌ステップ ~第1ステップ-4~

【第1ステップ-4】
化粧水。乳液、保湿クリームが乾燥を悪化させる理由
〜“うるおいを与える”という誤解が、肌を甘やかす〜
肌が乾燥してカサついたとき、
あなたはすぐに化粧水や保湿クリームを
塗っていませんか?
「うるおいが足りないから、外から補う」
──これは、私たちが長年信じてきた
スキンケアの常識です。
でも実は、
この“与えるケア”こそが、
肌の乾燥を慢性化させていることがあるのです。
✔ 肌には「自分で潤う力」がある
私たちの肌は本来、
**自ら潤いを保つ力(バリア機能)**を
持っています。
角質層の中には、
「天然保湿因子(NMF)」や
「細胞間脂質(セラミドなど)」があり、
さらに表面を「皮脂膜」が覆うことで、
水分を逃がさず、外敵の侵入も防いでいます。
これらは、
**肌自身がつくり出す“うるおいメカニズム”**です。
ところが、
化粧水、乳液、保湿クリームなどを
毎日たっぷりと与え続けていると、
肌は「自分で作らなくても大丈夫」と判断してしまい、
皮脂やセラミドの産生をさぼるようになります。
つまり、
過剰な保湿は、肌を“甘やかす”ことで
本来の機能を衰えさせるのです。
✔ 化粧水や乳液に潜む“乾燥を招く成分”
注意が必要なのが、
化粧水や乳液に含まれる成分です。
たとえば以下のようなもの:
- ● 合成界面活性剤(例:ポリソルベート、PEG系)
→ 角質間脂質を壊してバリア機能を低下させる - ● アルコール(エタノール)
→ 一時的にさっぱり感を与えるが、 - 皮膚の水分を奪い、乾燥を促進
- ● 防腐剤(パラベン、フェノキシエタノールなど)
→ 常在菌バランスを乱し、バリア機能を不安定にする - ● シリコーンオイルや合成ポリマー
→ 表面をコーティングし呼吸を妨げ、 - 皮脂分泌やターンオーバーの乱れを招く
つまり、
「潤すはず」の化粧水、乳液、保湿クリームが、
逆に肌を乾燥させたり、
依存させたりしていることがあるのです。
✔ 肌を“守る”ではなく“育てる”保湿ケアへ
大切なのは、
「足りないものを足す」のではなく、
「自分で潤える肌を育てる」という
視点に変えること。
そのためにはまず、
洗顔でラメラ構造を壊さず、
皮脂膜を守ること。
そして、
どうしても保湿が必要な時は、
それらお肌にマイナスな成分を含まない
化粧水やオイルを使うこと。
最終的に目指すのは、
「何も塗らなくても乾かない肌」。
その力は、
誰にでも備わっています。
ただ、
間違ったスキンケア習慣によって
眠ってしまっているだけなのです。
表面を「しっとりみせる」のではなく、
肌の中から潤う力を取り戻す。
それが本当の意味での保湿であり、
美肌へのステップです。
📚参考文献:
- Rawlings AV, Harding CR. (2004)
Moisturization and skin barrier function
Dermatologic Therapy, 17(s1), 43–48.
https://doi.org/10.1111/j.1396-0296.2004.04S1005.x - Elias PM, et al. (2002)
Modulation of stratum corneum structure and function by topical agents
Journal of the American Academy of Dermatology, 46(1), 1–22. - Denda M, et al. (2000)
Skin barrier disruption stimulates epidermal synthesis of fatty acids and cholesterol
Journal of Investigative Dermatology, 114(3), 465–470.