美肌ステップ ~第1ステップ-3~

【第1ステップ-3】
「弱酸性」の洗顔フォームの落とし穴
〜“肌にやさしい”は成分表で見極めよう〜
「弱酸性」「アミノ酸系」「敏感肌用」
──こうした言葉が書かれた洗顔フォームを、
肌にやさしいと信じて選んでいませんか?
たしかに、
健康な肌の表面はpH4.5〜6程度の弱酸性です。
このため「弱酸性の洗顔料は肌に近いから安全」と
思いがちですが、実際はそう単純ではありません。
市販の「弱酸性洗顔フォーム」の多くには、
**アミノ酸系合成界面活性剤
(例:ココイルグルタミン酸Na、
ラウロイルメチルアラニンNaなど)や、
非イオン界面活性剤(ポリソルベートなど)**が
使われています。
これらは“低刺激”をうたっていますが、
ラメラ構造
(肌のバリアを形成する脂質のミルフィーユ構造)に
浸透して内部から崩してしまうという報告もあります。
肌が弱っている時ほど、
泡のクッションでやさしく洗いたくなるもの。
でもその泡が界面活性剤の塊であるなら、
肌のバリアや常在菌にとっては
毎日“攻撃”を受けているようなものなのです。
✔ 本当に肌にやさしい洗顔とは?
おすすめは、
完全無添加の固形石けんです。
特に以下の条件を満たすものが望ましいです:
- 合成界面活性剤、防腐剤、香料、着色料など無添加
- 「コールドプロセス製法」で作られた石けん
- pHが極端に高くない(理想は9前後)
「コールドプロセス製法」とは、
加熱せずに自然熟成させる石けんづくりの方法で、
グリセリンなどの保湿成分が自然に残るため、
肌への刺激がとても少ないのが特徴です。
ただし、
石けんは弱アルカリ性です。
肌がもともと弱酸性であることを考えると、
いくら低刺激でも長時間の使用は避けるべきです。
⏱洗顔のベストな時間は「1分以内」
石けんを手のひらでよく泡立て、
モコモコの泡を肌にのせたら、
こすらずに優しく広げるだけで十分です。
泡の吸着力だけで、ほとんどの汚れは落ちます。
ゴシゴシこすったり、
マッサージしたりする必要はありません。
むしろそれが肌への摩擦となり、
シミや肝斑の原因になることも。
そして、
石けんを肌にのせる時間は1分以内にしましょう。
肌にやさしい石けんであっても、
アルカリ性である以上、
長時間の使用はバリア機能を壊す可能性があります。
洗顔後は、
シャワーを直接当てずに
20〜25℃程度のぬるま湯でやさしくすすぐのが
ポイントです。
📚参考文献:
- Lambers H, et al. (2006)
Skin barrier in the physiology of the stratum corneum
International Journal of Cosmetic Science, 28(5), 359–370.
https://doi.org/10.1111/j.1468-2494.2006.00329.x - Kubota K, et al. (2020)
The involvement of protein denaturing activity in the effect of surfactants on skin barrier function
Skin Research and Technology, 26(1), 60–66. - Barany E, et al. (1999)
Biophysical characterization of skin damage and recovery after exposure to different surfactants
Contact Dermatitis, 40(2), 98–103.