無添加石鹸誕生物語

うるおい肌石鹸

【無添加石鹸誕生物語】

 

 

石鹸がどのように
出来上がったのかを
お伝えさせてください。


体を洗うのに、
石鹸が肌には一番いいのは
知っていた。


でも、コマーシャルで
”保湿成分配合♪”って
歌っているし、


何より香りがいい。
それに石鹸はダサいから、


一番有名であろう

『ビオレ』の
ボディソープを使っていた。


冬のある日、体中が痒くなり、
毎日毎日かきむしるように
なった。


皮膚は乾燥して粉をふき、
かきむしった部分からは
血や浸出液が出ている。


皮膚科医だから、
薬は自分で処方して塗ると
治まるので、


そんなに気に留めていなかった。


そんなある日ボディソープを
使い切ってしまった。


なくなる少し前から、
買おう買おうと思っていたが、
いつも忘れた。


仕方がないから、
手を洗うために置いておいた、
何かのおまけでもらった


無添加せっけんで
体を洗うことにした。


「香りはないけど、
まあ~いいか。。。」


数日経ったある日、
「あれ?最近体に薬ぬってない!
っていうか、体痒くない。。
良かった~。治ったんだ。
きっと、
ストレスだったんだね~(^^)」
と、思っていた。


ある日、
主人が気を利かせてくれて、
いつものボディソープを
買ってきてくれた。


今回のは、また違う香り♡♡♡


その日の夜、入浴後、
急に体が痒くなった。


次の日も、次の日も
痒くて大変だった。



もしかして
ボディソープが原因?
本当???



また無添加せっけんに戻したら
すっかりかゆみがなくなった。



この体験をしていたので、
ボディソープの主成分である
合成界面活性剤なるものを
徹底的に調べることにした。


ボディソープ、洗顔フォーム、
クレンジング等に配合されている


合成界面活性剤のせいで、
顔や体はがさがさ、
かゆかゆになっていることが
わかった。


「やっぱり石鹸でなくちゃ
ダメなんだ!!」


スーパーと薬局から、
昔ながらの石鹸数種類、
無添加石鹸も数種類買ってきた。


無添加でない石鹸は、
変質や腐敗を防ぐ物質、
泡立ちをよくするための物質、
香料等が入っていた。


「石鹸も、
やはり無添加でなくては。」


しかし、
市販の無添加せっけんを
使い続けていると、


痒くはないが体が乾燥して
粉をふくようになってきた。


「どうして?????」
「この前の無添加せっけんは、
しっとりしてたのに~。。。」


無添加せっけんと名のつくものを
日本全国、世界各国から
取り寄せた。


出かける度に、
石鹸が売っているコーナーを
見つけては買いあさった。


無添加せっけんは
大きな段ボール2箱ほど
集まった。


毎日、とっかえひっかえ
使ってみたがよくわからない。


「無添加せっけんなのに
肌が乾燥するのは何故?」

 

 

なぜ最初に使った無添加石鹸は
肌がしっとりしたのに


他の無添加石鹸は、
肌が乾燥するの?


無添加石鹸には、
色々な作り方があることを、
調べてみて初めて知った。


中和法。釜炊き法。冷製法。


無添加石鹸すべてが
お肌にやさしいわけではない。


中には洗浄力が強すぎて、
お肌の負担になることも
あるんだって。


「一番お肌にやさしい
石鹸になるのは
冷製法なんだ。。。。」


冷製法というのは、
油脂に苛性ソーダを
加えて撹拌し、


加熱せずに反応させて作る
石鹸。


生成過程で保湿成分である
グリセリンが生じ、


未反応の油脂が
残るようにつくるため、


お肌にとてもやさしい石鹸に
なるとのこと。



見えてきた!!



最初の石鹸は冷製法で
作られた石鹸だったから、
しっとり洗えた。


後の石鹸は中和法で
作った物だったから乾燥した。



なるほど!それだ!



そこで大量の無添加石鹸が
入った箱の中から、


冷製法で作られたものだけを
ピックアップして使ってみた。


「ん?冷製法で作った
無添加せっけんなのに乾燥する。
理論は間違っていたか。。。。?」


がっくりきたが、
うなだれてなんていられない!


冷製法は、
手作り出来るせっけんだ。


自分で作ってみたら、
何かが解るかもしれない!!


油脂を決めて
苛性ソーダの量を決めて、
手袋して、マスクして。。。。。


苛性ソーダは強アルカリで、
触れるとヤケドを
起こす薬品なので
慎重に扱わなくてはいけない。


石鹸は材料を混ぜたら
すぐ出来るわけではなく、


固まったら1~2か月乾かして
寝せなくては使えない。


色々な油脂、様々な反応率の
苛性ソーダで
何種類もの石鹸を作ってみた。


料理をするのも億劫な私には
つらい実験だった。


でも、わかった!!


○オリーブオイル主体で作る
せっけんはしっとりする。

 

○苛性ソーダの反応率を
低く抑えると
PH(ペーハー)が
中性に近くなり、
肌にやさしい石鹸になる。

 

○乾燥させて寝かせれば
寝かせる程、マイルドになる。
ってこと!


理想の石鹸を作り上げたと
喜び勇んだ!


それから毎日、自分で作った
最高の石鹸を使って
顔も体も洗った。


本当にしっとり洗いあがって、
全身つやつやしていた。


ところが、
しばらく出ていなかったニキビが、
一つ、二つ。。。と、
また顔に出るようになった。


「どうしてよ~~~~~?」


オリーブオイルが原因だった。


オリーブオイルは
オレイン酸という物質が
多く含まれ、


そのオレイン酸が
お肌に潤いを与えてくれるのだが、


ニキビが出やすい人には
不向きだなんて初めて知った。


その後試行錯誤で、
自分なりに油脂の配合を決め、
あとは業者さんに
お願いすることにした。


石鹸を作ってくれる業者さんを
ピックアップして
電話をかけてみた。


「お肌にやさしい石鹸を
作りたいのですが。」


「ふ~ん、どうせ
 ”茶のしずく” 
みたいにヒットすると思って、
石鹸を作ろうとしているんでしょ?
そうはいかないよ!やめときな!!」
と、相手にしてくれない。


他にも何件も
同じような対応だった。


純粋にお肌にやさしい石鹸を
作りたいだけなのに。。。。。


ある業者さんが親身になって
こちらの要望を聞いてくれ、
快諾してくれた。


しかし、いざ作っていただくと、
出来上がったせっけんが
柔らかすぎる、
PHが高すぎる。。。。


色々な理由で、
作っていただいた石鹸を


何度も廃棄処分にしなくては
いけなくなった。


せっかく作ってくれたのに。。。


でも絶対、妥協はできない。


本当にお肌にやさしい
石鹸でなくちゃ、
患者さんには出せない!


業者さんとの二人三脚で
やっと本当に理想の石鹸が
出来上がった!!


こちらの業者さんにも
本当に感謝している。


せっけんは職人さんに手作りで
作っていただいているので、
その時によって出来が違ってくる。


それなのに、たくさんの
私のわがままな要望を
聞き入れて下さった。


こんなふうに、
職人さんの思いも詰まった、


ひとつひとつが宝物の
せっけんが
出来上がったのです!!

うるおい肌石鹸

 
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