美肌ステップ ~第4ステップ-4~

【第4ステップ-4】
肝臓が解毒する3つのステップ
〜解毒は「分解・抱合・排出」の連続ワザ〜
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれますが、
実は、美肌にもダイエットにも、
疲労感の改善にも、密接に関係しています。
とくに「解毒=デトックス」の主役。
体に入った毒を分解し、体外に出すプロセスは、
肝臓がいなければ始まりません。
しかし、肝臓が「どんな働き方」をしているかを
知っている方は少ないかもしれません。
そこで今回は、肝臓の解毒3段階のステップを
わかりやすくお伝えします。
■ フェーズ1:化学物質の分解・酸化(準備フェーズ)
肝臓に入ってきた毒素
(薬、食品添加物、重金属、農薬など)は、
まず「フェーズ1」で分解されます。
ここで登場するのが、シトクロムP450酵素群です。
この段階では毒素を「水に溶けやすくする」ために
化学変化を起こすのですが、この途中で出てくる物質が、
実は毒性が強い中間代謝産物。
つまり、フェーズ1が活性化しすぎると、
逆に毒性が強まってしまうこともあるのです。
サポートする栄養素:
・ビタミンB群(特にB2、B3、B6)
・マグネシウム
・抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、グルタチオン)
■ フェーズ2:抱合(毒性を無毒化)
フェーズ1で活性化された毒は、
このフェーズ2で「無毒化」されます。
ここでは、
毒に“くっつける”作業(抱合:conjugation)が行われ、
排出しやすい“おとなしい形”に変えられます。
このプロセスには多くの経路があり、主に以下のものがあります:
・グルクロン酸抱合:薬物や環境毒を無毒化
・硫酸抱合:化学物質や女性ホルモンの処理
・グルタチオン抱合:重金属や化学物質の中和
・アミノ酸抱合:芳香族化合物の解毒
・メチル化:ヒスタミンやホルモン代謝に関与
・アセチル化:薬物や環境化学物質の処理
サポートする栄養素:
・アミノ酸(グリシン、システイン、メチオニン、グルタミン)
・ビタミンB群(特にB6、葉酸、B12)
・マグネシウム
・タウリン
・グルタチオン
※ これらの栄養が不足すると、
毒素が中和されずに「再循環」してしまい、
肌荒れ・頭痛・倦怠感などの不調を引き起こします。
■ フェーズ3:体外への排出(出口フェーズ)
フェーズ2で無毒化された毒素は、胆汁や尿として排泄されます。
この段階をフェーズ3といい、ここが詰まると“解毒済み”でも体にとどまってしまうのです。
特に大切なのが胆汁の流れ。
胆汁は便とともに排出されるため、便秘があると再吸収されてしまいます(腸肝循環)。
サポートする習慣・栄養:
・水分摂取(こまめに)
・食物繊維(特に水溶性)
・酵素、乳酸菌、オリゴ糖
・レモン水や苦味野菜
(春菊、ルッコラ、ターメリックなど)
・リンゴ酢や味噌汁などの発酵食品
■ 肝臓解毒は「どこか1つ」が詰まると全体が止まる
この3つのフェーズは、流れがすべて連動しています。
フェーズ1で毒が分解、フェーズ2で中和、フェーズ3で排出。
どこかが詰まれば、
美肌も健康も“ブレーキがかかった状態”になります。
特に現代人は
フェーズ2・3が追いつかない人が多い傾向です。
そのため、
過度なサプリメントの摂取や断片的なデトックス法には
注意が必要です。
■ まとめ:肝臓に栄養と余白を
美肌のためのデトックスとは、
単なる「出すこと」ではありません。
毒を分解して、変えて、出す——
この一連のプロセスを滞りなく進めるには、
肝臓に“材料”となる栄養と、“働ける余白”を
与えてあげることが重要です。
次回のステップでは、
実際にどの栄養素や食材がこのプロセスを助けるのか、
より具体的にご紹介していきます。
どうぞお楽しみに。