美肌ステップ ~第4ステップ-1~

【第4ステップ-1】
解毒のピラミッド:なぜ肝臓が肌に効くのか
〜肌トラブルの根底にある“排毒力”を見直そう〜
肌にトラブルを抱えている人が、
スキンケアを見直して丁寧な食事療法をしても、
「何をしても良くならない」と感じることがあります。
そんなとき、見落とされがちなのが
「体に溜まった毒」をどう排出するかという視点です。
わたしのクリニックにも、
ステロイドも抗生物質も漢方も効かなかったという方が
多く訪れます。
そうした方に共通するのは、
「解毒力」が著しく落ちていることです。
■ 現代人の体には「毒」がいっぱい?
現代の私たちは、自分でも気づかないうちに
「見えない毒素」にさらされています。
・食品添加物、防腐剤、残留農薬
・化粧品に含まれる石油化学物質
(パラベン、PEGなど)
・水銀・鉛などの重金属
・カビ毒(マイコトキシン)
・過剰なアルコール、薬剤の代謝物
・PFAS(有機フッ素化合物)
・マイクロプラスチック
・ストレスによる内因性毒素
(炎症性サイトカインやアンモニア)
これらの毒素が身体をむしばみ、皮膚や脳にまで回ると、
湿疹・赤ら顔・くすみ・ニキビ・慢性疲労・
不眠・鬱っぽさとして現れてきます。
■ 解毒は“肝臓の仕事”が9割以上
体の解毒の大部分は肝臓で行われています。
肝臓には三段階の解毒システムがあります。
1.フェーズ1(活性化):毒を“分解”して
代謝しやすくする
2.フェーズ2(抱合):分解された毒を無害な形に変える
(メチル化、グルクロン酸抱合など)
3.フェーズ3(排泄):尿、便、汗、胆汁として体外に出す
この流れがスムーズに行われて初めて、
肌が“内側から輝く”準備が整うのです。
■ 解毒のピラミッドとは?
解毒には順番があります。
それを示したのが「デトックスピラミッド」です。
1.毒を入れない(食品・環境の見直し)
2.出せる体をつくる(腸・汗・尿の排泄機能)
3.肝臓の解毒力を高める(栄養と代謝)
4.毒をしっかり排出する(重金属・化学物質・カビ毒)
このピラミッドの土台を無視して、
いきなり「デトックスサプリ」や
「ファスティング」をしても、
体に溜まった毒が逆流して症状を
悪化させてしまうこともあります。
■ 肝臓が弱ると肌がくすむ理由
肝臓が処理しきれない毒は、
皮膚や腎臓、肺などの“排泄代替ルート”に回されます。
つまり、「肌から毒が出ている状態」こそが、
ニキビや湿疹、かゆみとして現れているのです。
また、解毒がスムーズでないと、
ホルモンの代謝(特にエストロゲンの処理)も滞り、
月経トラブルや大人ニキビの原因になります。
■ 肝臓をサポートするには?
これからのステップで詳しくお伝えしていきますが、
まずできることは:
・毒を入れない生活習慣(食べ物、日用品、ストレス)
・肝臓に必要な栄養素(タウリン、亜鉛、B群、グルタチオンなど)を知る
・肝臓の状態を知る検査を受ける
・便・尿・汗の出口を整える(腸内環境・排泄機能)
■ 解毒は「美肌の土台」
美肌とは、見た目の問題だけではありません。
内臓、特に「肝臓の声」を聞いていくことが、
これからの美しさには欠かせません。
第4ステップでは、肝臓を元気にして「毒をためない体」
「毒を出せる肌」へとステップアップしていきましょう。
次回は、そもそも“毒を入れない”ための
生活の工夫についてお話しします。