美肌ステップ ~第2ステップ-5~

【第2ステップ-5】
副腎疲労と肌の不調
〜なんとなくの「疲れ」が肌のSOSだった〜
「朝がつらい」
「コーヒーがないと動けない」
「いつもだるい」
それは単なる“疲労”ではなく、
体の司令塔のひとつ「副腎」が
悲鳴をあげているサインかもしれません。
そして、副腎の不調は、
実は肌の慢性的な不調と深くつながっているのです。
副腎って何をするところ?
副腎とは、
左右の腎臓の上にちょこんと乗っている小さな臓器。
でも、その役割は非常に大きく、「ホルモンの工場」として
生命を守る重要な働きをしています。
中でも注目したいのが、
ストレスに対処するホルモン「コルチゾール」と、
若さと回復力に関わる「DHEA」。
・コルチゾール:血糖値を安定させ、
炎症を抑え、ストレスに対応するホルモン
・DHEA:エストロゲン・テストステロンの材料。
抗老化、免疫、皮膚の修復に関与
この2つのホルモンは、肌の回復、潤い、ターンオーバー、
炎症制御などに密接に関わっています。
副腎が疲れるとどうなる?
慢性的なストレス、睡眠不足、低血糖、
過度なカフェイン摂取などにより、
副腎はオーバーワーク状態に。
はじめはコルチゾール過剰で、血糖の乱高下、
睡眠の質の低下、皮脂分泌過多などが起こります。
やがてコルチゾールを出すための指令を担っている
脳の視床下部が疲弊すると、
コルチゾールが不足し、DHEAも減少。
これが「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」の状態です。
副腎疲労による肌のトラブルとは?
副腎疲労が進むと、次のような肌の変化が起きてきます:
症状 |
原因 |
肌の乾燥・くすみ |
DHEAの減少→皮脂・保湿力の低下 |
ニキビ・吹き出物の増加 |
コルチゾールの乱高下→皮脂の増加・炎症反応の亢進 |
肌の炎症・赤み |
炎症を抑えるコルチゾールの不足 |
傷の治りが遅い |
ターンオーバーや再生に関わるホルモンの不足 |
メラニン過剰・シミが増える |
DHEA・副腎ホルモンの低下→抗酸化力の低下 |
「なんとなく老けた気がする」「肌の回復が遅い」
そんなときは、外からのケアだけでなく、
“副腎からのサイン”に目を向けてみましょう。
副腎を疲れさせる生活習慣
次のような習慣は、副腎に大きな負担をかけます。
- ・慢性的な心理的ストレス
- ・毎日コーヒー・エナジードリンクが手放せない
- ・睡眠時間が6時間未満、深い睡眠が取れない
- ・甘いもの・精製糖質をよく食べる
- ・激しい運動をしすぎている
- ・責任感が強く、頑張りすぎる性格
特に「朝がしんどくて動けない」
「夜になると元気が出てくる」という人は、
副腎のリズムが乱れている可能性があります。
副腎をケアする生活術
副腎を回復させるには、
「がんばらない」「休む」「満たす」がキーワード。
・ 食事を工夫して血糖値の乱高下を防ぐ
・ ビタミンC(副腎の餌)とB群を毎日しっかり摂る
・ カフェインをやめるか
・ 22〜24時前には眠るようにして、睡眠を確保
・ 頑張らない日を意識的に作る
・ プレッシャーや不安を紙に書き出して手放す
・ 無理な運動をせず、軽いストレッチや散歩をする
副腎は、「休むこと」を覚えて初めて回復します。
サプリでのサポート(医師と相談のうえ)
副腎疲労が進んでいる人は、
以下の栄養素でのサポートも効果的です:
- ・ビタミンC:副腎に最も多く存在する栄養素。
- 炎症抑制・ホルモン合成に必須
- ・ビタミンB5(パントテン酸):コルチゾールの
- 合成に不可欠
- ・マグネシウム:神経の安定と
- ホルモンバランスの調整に
- ・アダプトゲンハーブ(アシュワガンダ、
- ロディオラなど):副腎のストレス耐性を高める
※サプリは個人差があるため、
分子栄養学的な評価をもとに使用しましょう。
肌を守るには「副腎を守る」こと
「化粧品を変えても、肌の炎症が治らない」
「スキンケアは合ってるはずなのに、老けた気がする」
そんなときは、
あなたの副腎が疲れていないか?を
チェックしてみてください。
唾液コルチゾール検査で調べることができます。
外側ではなく“内側からのアプローチ”で、
肌の炎症やくすみが驚くほど改善することがあります。
次回は【第2ステップ-6】
「甲状腺機能と肌の関係」へと進みます。
“なんとなく乾燥肌”“いつもむくみがち”な方は、
ぜひチェックしてみてください。