美肌ステップ ~第2ステップ-4~

【第2ステップ-4】

ミトコンドリアが肌をつくる

〜細胞のエネルギー工場を元気にすると、肌は内側からよみがえる〜

 

肌の調子が悪いとき、

「保湿が足りない」「ホルモンのせいかも」と

外からのアプローチに目が行きがちです。
でも実は、肌細胞のひとつひとつの“エネルギー不足”が

原因になっていることをご存じですか?

 

肌の根本的な回復には、

エネルギーを生み出す「ミトコンドリア」の

活性が欠かせません。
今回は、美肌のカギを握る

“細胞のエネルギー工場”に迫ります。

 

 

 

 

ミトコンドリアとは?

 

ミトコンドリアは、すべての細胞の中に存在し、

エネルギー(ATP)をつくり出す小さな器官です。
ATPは、肌のターンオーバー、バリア機能の修復、

コラーゲン合成、免疫など、すべての機能に使われます。

 

ミトコンドリアが元気であれば、

細胞の代謝がスムーズに行われ、

肌はみずみずしく、透明感のある状態を保てるのです。

 

 

 

 

ミトコンドリアが疲れるとどうなる?

 

加齢やストレス、食生活の乱れ、栄養不足、

有害物質(重金属・化学物質)、ウイルス感染などにより、

ミトコンドリアの働きは低下します。

 

ミトコンドリアが疲れてATPをつくれなくなると、

こんなことが起きます:

 

 

  •  ・肌のターンオーバーが遅れてくすむ
  •  ・傷や炎症が治りにくくなる
  •  ・バリア機能が低下し乾燥・敏感に
  •  ・シミや肝斑が消えにくくなる 
  •  ・毛穴が開きやすくなる
  •  ・体もだるく疲れやすい
  •  

つまり、「慢性的な肌荒れ=ミトコンドリア疲労」の

サインかもしれないのです。

 

 

 

ミトコンドリアが必要とする栄養素

 

ミトコンドリアを元気に動かすには、

次のような「代謝の鍵となる栄養素」が必要です。

 

   栄養素

               働 き

ビタミンB群

ATP産生を助ける酵素の補因子

電子伝達系を回すのに不可欠(不足するとエネルギーが作れない)

マグネシウム

エネルギーの“点火”役。300以上の酵素を助ける

L-カルニチン

脂肪酸をミトコンドリア内に運び、エネルギーに変える

CoQ10

電子伝達系を動かす中心分子。強力な抗酸化作用もある

αリポ酸

活性酸素を除去し、グルタチオン再生などの抗酸化ネットワークを担う

 

これらが不足していると、いくらスキンケアをしても、

肌細胞は回復できません。
とくに鉄とビタミンB群の欠乏は女性に多く、

肌荒れ・疲れやすさの原因になりやすいのです。

 

 

 

 

ミトコンドリアが疲れる生活習慣とは?

 

ミトコンドリアにダメージを与える習慣は、

肌荒れを引き起こす生活習慣でもあります。

 

 

  •  ・白砂糖・加工食品中心の食事
  •  ・過剰な飲酒や喫煙
  •  ・精神的ストレス、過労、睡眠不足
  •  ・慢性炎症(虫歯、歯槽膿漏、慢性上咽頭炎、
  •       腸内環境の悪化など)
  •  ・重金属や農薬の蓄積(解毒力の低下)
  •  ・紫外線や酸化ストレスの蓄積
  •  

これらが複雑に絡み合い、

ミトコンドリア機能を弱らせていきます。

 

 

 

 

肌を変える「ミトコンドリア習慣」とは?

 

では、ミトコンドリアを元気にする

生活習慣とは何でしょうか?

 

 

 ・ 朝日を浴びて体内時計をリセット
 ・ 有酸素運動+筋トレで「ミトコンドリア量を増やす
 ・ ビタミンB群、鉄、マグネシウムを意識して摂る
 ・ 糖質過多を避け、タンパク質と脂質をしっかり摂る
 ・ 抗酸化物質(ビタミンC、E、ポリフェノール)を

       食事から
 ・ CoQ10、L‑カルニチン、α‑リポ酸など、

       ミトコンドリアサポートサプリを適度に活用
 ・ ファスティングや16時間断食も効果的(

       血糖値が安定している人限定)

このような日々の小さな習慣が、

ミトコンドリアを活性化し、

細胞そのものが元気になることで、

肌も元気を取り戻します。

 

 

 

 

 “ミトコンドリアとコロナ”、意外な関係

 

近年の研究で、

COVID‑19(コロナ)感染後の後遺症(Long COVID)には

ミトコンドリアのダメージが深く関わっていることが

明らかになってきました。

 

 

  •  ・ウイルスのタンパク質がミトコンドリアと結合し、
  •   呼吸チェーンの膜電位や脂質代謝を妨げる
  •  
  •  
  •  ・長期的に、ミトコンドリア膜電位が低下し、
  •   エネルギー産生が落ちることが確認されています
  •   en.wikipedia.org+11nature.com+11mdpi.com+11
  •  
  •  ・皮膚組織でミトコンドリア損傷により炎症や
  •   構造破壊が起こることも報告されています

 

 

つまり、コロナ後遺症による「だるさ」「脳霧」「肌トラブル」は、

ミトコンドリア不調が根本にある可能性があります。

米国の論文では「ミトコンドリア機能が回復すれば

Long COVID症状も和らぐ」と提案されています nature.com

 

 

 

 

「肌が変わらない」と感じたときこそ、ミトコンドリアを疑え

 

化粧品を変えても、

どうしても肌が良くならないと感じたら。
それは、“肌そのもの”ではなく、

“肌を作るエネルギー源”が枯渇しているサインかもしれません。

 

体は正直です。

肌もまた、細胞の健康状態を映し出す鏡。
あなたの肌が出しているSOSに、

細胞レベルで応えてあげましょう。

 

 

 

まとめ:ミトコンドリアが美肌の鍵

 

ミトコンドリアは単なる

「細胞のエネルギー工場」ではなく、
肌の輝きや回復力、若々しさの源です。

 

もし疲れやすさや肌の不調を感じているなら、
それは「細胞レベルのエネルギー不足」を示す

サインかもしれません。
焦らず、自分に合ったレベルで

ミトコンドリアのサポートを始めてみましょう。

 

 

あなたのミトコンドリアが元気がどうかは

“有機酸検査”で調べることができます。

 

 


 

次回は

【第2ステップ-5】「副腎疲労と肌のしくみ」に進みます。
ホルモン・ストレス・エネルギーの関係から肌を考える、深いステップです!

 

 

 

 

 

 

   
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