美肌ステップ ~第2ステップ-3~

【第2ステップ-3】

血糖値の乱高下が肌に与えるダメージ

〜糖の波に揺さぶられる肌と自律神経〜

 

 

あなたはこんな経験、ありませんか?
「甘いものを食べると元気が出るけど、

しばらくするとイライラしたり、急に眠くなったりする」


実はこの“気分のジェットコースター”、

肌にも大きなダメージを与えているのです。

 

 

 

キーワードは「血糖値の乱高下」。
食事で糖質を摂ると、血糖値が急上昇します。
すると体はそれを下げるためにインスリンという

ホルモンを大量に分泌。
その結果、今度は血糖値が急降下してしまう……。
この“乱高下”が、肌にも自律神経にも、

大きなストレスになるのです。

 

 

交感神経が優位になると、

アドレナリンやノルアドレナリンなどの

ストレスホルモンが分泌されます。
これにより血管が収縮し、肌の血流が悪化。

赤み・かゆみ・乾燥・ニキビといった

トラブルを引き起こします。

 

 

さらに、血糖値が急激に下がると、

体は「危機だ!」と判断してアドレナリンを分泌。
このアドレナリンは、

血糖を上げるために筋肉や腸のたんぱく質を分解して

エネルギー源に変えようとします。
これが「たんぱく異化亢進」です。

 

 

その結果、腸の粘膜が薄くなり、バリア機能が低下。
リーキーガットと呼ばれる「腸漏れ」が起こり、

未消化物や毒素が体内に入り込み、

肌に炎症を引き起こします。
肌荒れ、赤み、アトピー悪化、慢性的なニキビ……。
まさかそれが、食べ方のせいだなんて、

思いもしなかったかもしれません。

 

 

 

血糖値スパイクとは何か?

 

血糖値スパイクとは、

糖質を多く含む食事を摂った後に血糖値が急上昇し、

その後急激に下降すること。
とくにパン・白米・スイーツ・ジュースなどの

高GI食品を単体で摂ったときに起こりやすく、
そのたびに体内ではインスリンが大量に分泌され、

血糖値を急いで下げようとします。

 

 

しかしこの急な“乱高下”は、

肌に次のような悪影響を与えます:

 

 

  •  ・糖化(AGEs):血中の過剰な糖が肌のコラーゲンや
  •    エラスチンと結びついて“焦げ”のような
  •    ダメージを生む 
  •    → 肌の黄ぐすみ・たるみ・弾力低下
  •  
  •  ・酸化ストレス:糖化によって活性酸素が発生し、
  •    肌細胞のDNAや脂質を傷つける
  •    → 炎症・老化
  •  
  •  ・皮脂分泌の増加:インスリンがホルモンバランスを乱し
  •    男性ホルモン(アンドロゲン)優位に 
  •    → 毛穴の詰まり・ニキビ

 

 

 

 

血糖値を乱さない、肌と心にやさしい食べ方

 

 1.空腹時に甘いものや炭水化物を食べない
   → 空腹時間が長いと、

   血糖スパイクが起こりやすくなります。

 

 2.食べる順番を変える
   → 「野菜 → たんぱく質・脂質 → 炭水化物」の

   順で食べると、血糖値の急上昇が抑えられます。

   特に野菜・たんぱく質・脂質を食べた後

   20分~30分待って炭水化物を食べると

   インスリンの分泌準備ができているので

   炭水化物による血糖値上昇を防ぐことができる

 

 3.間食に甘いお菓子ではなく、ゆで卵やナッツを
   → 低糖質・高たんぱくな間食が

   血糖値を安定させてくれます。

 

 4.パスタやパン、砂糖を控える
   → 精製された炭水化物は

   血糖値を急上昇させやすいので要注意。

 

 5.食後すぐに筋トレや有酸素運動
   → 筋肉がエネルギー源として

   血液中の糖を消費するので血糖値を抑える

 

 

 

ホルモンと血糖値コントロールの関係

 

食事をすると、

腸から血糖値を調整するホルモンが分泌されます。

代表的なのが以下の3つ:

 

  •  ・GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)
       →インスリン分泌を促進し、
  •    胃の動きをゆっくりにする。
  •    満腹感アップ。
  •  
  •  ・GIP(血糖依存性インスリン分泌刺激ペプチド)
       →脂質・糖質の摂取で分泌され、
  •    インスリン分泌を強化。
  •  
  •  ・PYY(ペプチドYY)
       → たんぱく質や脂質を摂ることで分泌され、
  •    満腹中枢を刺激。
  •  
  •  

つまり、最初に野菜・たんぱく質・脂質を摂ることで

GLP-1やPYYが分泌され、

血糖の乱高下が防げるというわけです。
いきなり白米やパン、甘いものを食べると、

インスリンが大量に出て、

その後に急激な低血糖を招きます。

 

 

血糖値の乱れは、自律神経を不安定にし、

腸のバリアを破壊し、肌の炎症を引き起こします。
でも、ちょっとした“食べ方の順番”の工夫で、

この負の連鎖は断ち切れます。

 

 

肌のために。心のために。 
今日の食事から、やさしい順番を選んでみませんか?

 

次は、エネルギーの源である

「ミトコンドリア」と肌の関係に迫ります。お楽しみに!

 

 

 

   
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