美肌ステップ ~第3ステップ-8~

【第3ステップ-8】
便秘・下痢と肌の関連性
〜お通じは肌からのラブレター〜
「毎朝スッキリ出ない」
「緊張するとお腹を下しやすい」
「体調が悪いと肌もくすむ気がする」
そんなお悩みをお持ちの方は多いはず。
実はお通じの状態は、
肌の状態と深くつながっています。
便秘や下痢は単なる腸のトラブルではなく、
全身の炎症や毒素の排出、
ホルモンバランスにも影響を与え、
それがそのまま肌に表れるのです。
便秘が肌に与える3つの影響
1.腸内毒素が再吸収される
便秘になると、腸内にとどまった便から
アンモニアや硫化水素などの有害ガスが発生します。
これらは再び血液に乗って全身を巡り、
肌の代謝や解毒に負担をかけます。
→ ニキビ、くすみ、むくみ、肌荒れの原因に。
2.女性ホルモンのバランスが乱れる
エストロゲン(女性ホルモン)は、
肝臓で代謝された後、腸から便として排出されます。
ところが
便秘だと再吸収されてエストロゲン過剰状態になり、
ニキビやシミ、PMS悪化、肌のゆらぎにつながります。
3.腸内環境が悪化しやすい
便が長時間腸内にあると、悪玉菌が増殖し、
善玉菌の数が減少します。
結果、腸内の炎症が進み、
リーキーガットや慢性炎症が肌に影響します。
下痢が肌に与える3つの影響
1.栄養素が吸収できない
下痢では食べたものが十分に消化吸収されずに
排出されてしまいます。
特にビタミンB群、鉄、亜鉛、ビタミンAなど、
肌の修復や再生に不可欠な栄養素が不足します。
→ 肌が荒れる、乾燥する、治りが遅い
2.腸の炎症状態が慢性化している
繰り返す下痢は、
腸粘膜の炎症や免疫の過剰反応のサインです。
→ その炎症は肌にも波及し、アトピーや赤み、
湿疹、かゆみとして現れます。
3.ストレス・自律神経の乱れ
下痢体質の方の多くが、
ストレスや不安、緊張に敏感です。
これは腸と脳が密接につながっている
「腸脳相関」によるもの。
副交感神経の働きが弱まることで、
腸の動きも不安定に。
→ 自律神経の乱れ=肌のバリア機能の乱れにも
つながります。
便秘・下痢は「腸内環境悪化3ステージ」のサイン
便秘や下痢は、ただの腸トラブルではありません。
それは、腸内環境がどこまで悪化しているかを
教えてくれる重要なサインです。
(以下復習)
◆ 第1段階:腸の働きが落ちる(善玉菌減少期)
ストレスや睡眠不足で自律神経が乱れると、
まず起きるのが「消化力の低下」。
消化酵素が減って未消化物が腸に残り、
それが悪玉菌のエサになります。
食物繊維不足や抗生物質なども重なれば善玉菌は減り、
腸のバリア物質「短鎖脂肪酸」も減少。
便秘やガス、肌のくすみやごわつきが現れます。
◆ 第2段階:腸粘膜が傷み、免疫力が低下
(免疫力低下期)
未消化のタンパク質や脂質が腸内に停滞し、
有害物質を生み腸を傷つけます。
さらにストレスホルモンにより
“身体の材料”である腸粘膜が分解され、
薄く脆くなります。
この頃には下痢と便秘を繰り返し、
アトピー・かゆみ・赤みなどの免疫反応が
出やすくなります。
◆ 第3段階:悪玉菌やカンジダ、ピロリ菌の定着
(悪玉菌増殖期)
腸のバリアと免疫が崩壊すると、
有害菌が腸内に定着。
カンジダ菌が増えると、
全身のかゆみやニキビ、皮膚炎が悪化。
胃ではピロリ菌が活性化し、
肌トラブルや自己免疫症状を悪化させる要因になります。
つまり、便通の乱れは肌荒れの予兆でもあります。
「ただの便秘・下痢」だと放置せず、
腸のステージを見極めてケアしていくことが、
美肌への第一歩です。
便通の質でわかる腸内の“今”
便の状態 |
腸の状態 |
肌への影響 |
バナナ状・匂い少ない |
善玉菌優勢・バランス良好 |
肌も安定・透明感あり |
コロコロ便(硬い) |
水分不足/腸内炎症あり |
くすみ、乾燥肌、便秘ニキビ |
下痢・ゆるい便 |
悪玉菌優勢/炎症進行中 |
肌の赤み、かゆみ、湿疹 |
黒く強い悪臭 |
腐敗型・悪玉菌大量発生 |
炎症肌、疲れ肌、毒素排出トラブル |
まとめ:腸が出す「SOS」は便にあらわれる
毎日の便は、腸からあなたへの“手紙”のようなもの。
便秘や下痢が続くときは、
腸だけでなく肌も確実にダメージを受けています。
そしてそのサインは、
腸内環境が「どのステージで悪化しているか」までも
教えてくれています。
腸と肌は、同じ“排泄の窓口”。
便通が整えば、肌もすっきりクリアになっていきますよ。