美肌ステップ ~第3ステップ-3~

【第3ステップ-3】
ピロリ菌・カンジダ・寄生虫が肌に与える影響
〜腸の“異常住民”が肌を攻撃する〜
「ニキビが治らない」「蕁麻疹がぶり返す」
こうした肌の不調の裏側に、
“お腹の中に住んでいる意外な存在”が
関係していることがあります。
その正体は、ピロリ菌・カンジダ菌・寄生虫。
一見、腸と肌は無関係に思えるかもしれませんが、
腸の粘膜バリアが破られ、異物が体内に漏れると、
それに反応した免疫が肌に炎症を起こすのです。
ピロリ菌と肌の関係
ピロリ菌は「胃がんの原因」として有名ですが、
実は皮膚疾患にも深く関与しています。
- ・慢性じんましん
- ・ニキビ
- ・アトピー性皮膚炎
- ・酒さ
- ・掌蹠膿疱症・尋常性乾癬 など
胃粘膜に棲みついたピロリ菌は毒素を放出し、
胃酸の分泌を乱し、消化吸収力を下げます。
その結果、
未消化物が小腸・大腸に送られて腸内環境が悪化、
全身の免疫や炎症バランスが崩れるのです。
また、ピロリ菌の毒素は、免疫を過剰に刺激し、
ヒスタミンやサイトカインを放出させるため、
蕁麻疹などの過敏症状も引き起こします。
注意点:
ピロリ菌は、一般的な血液検査や内視鏡では
見逃されることがあります。
感度の高い便のPCR検査(GI-MAPなど)で
発見されることが多く、
症状がある方は再検査を検討しても良いでしょう。
カンジダ菌の腸内増殖と肌
カンジダ菌は常在菌のひとつですが、
抗生物質やストレス、糖質過多の食事などが重なると、
異常増殖してしまいます。
カンジダが腸内で増えると…
- ・腸のバリア機能が壊れる(リーキーガット)
- ・毒素を出して全身の炎症を引き起こす
- ・全身の倦怠感、ブレインフォグ、PMS、かゆみ、
- 肌の湿疹やにきびなどを悪化させる
とくに「チーズ・パン・スイーツ・ワイン」などの
発酵食品を好む方に多く見られ、
「お腹が張る・便秘と下痢を繰り返す・
強い甘いもの欲求・肌の赤みや湿疹」が同時にある場合、
カンジダ過剰の可能性が高いです。
腸内の寄生虫が引き起こす肌トラブル
「寄生虫なんて日本にはいない」と
思われるかもしれませんが、
海外渡航歴がある方、動物と接触する方、
刺身を好む方、農業・調理関連のお仕事に就いている方は、
無症候性感染をしているケースも少なくありません。
腸内に寄生虫がいると、
- ・慢性的な下痢・便秘・お腹の張り
- ・湿疹・かゆみ・にきびの悪化
- ・全身の倦怠感・栄養吸収不良
- ・自己免疫疾患(関節炎、皮膚筋炎など)の
- きっかけ
- を引き起こすことがあります。
とくにアトピー性皮膚炎や自己免疫性の湿疹の方は、
腸内の寄生虫除去で改善したケースが
多数報告されています。
どうやって見つけるの?
これらの「腸の異常住民」は、
便のPCR検査(GI-MAP)で正確に発見できます。
血液検査や内視鏡では見落とされがちな菌や寄生虫まで、
遺伝子レベルで検出できるのでおすすめです。
さらに以下の情報も得られます:
- ・善玉菌・悪玉菌のバランス
- ・消化酵素(エラスターゼ)の状態
- ・腸管免疫(IgA)
- ・リーキーガットマーカー
- ・酪酸菌の活性
- ・グルテン反応など
腸内除菌のステップとは?
1.まずは検査で何がいるかを特定
2.ピロリ菌がいれば、医師の指導で除菌療法
(抗生剤+胃薬)を
3.カンジダや寄生虫がいれば、
ハーブサプリや抗真菌・駆虫薬などで除去
4.除去後は、善玉菌と食物繊維で腸をリビルド
(再建)
5.短鎖脂肪酸を増やして腸粘膜と免疫を修復
ピロリ菌が肌を救うカギだったケースも…
実際、当院にも
「長年続いた蕁麻疹が、ピロリ除菌で完全に治まった」
「抗生剤でにきびが全く改善しなかったが、
カンジダ除去で劇的に変わった」などの
患者さんがたくさんいます。
外から“攻める”スキンケアに限界を感じた方は、
一度、内側=腸の住人たちを見直してみることを
おすすめします。