美肌ステップ ~第1ステップ-9~

【第1ステップ-9】
化粧品がお肌に負担がかかるなら肌断食が良いのでは?
〜“塗らない勇気”は、肌を育てる土台になる〜
シミに効く、毛穴が目立たなくなる、
しわに効く等謳われた化粧品を試した結果、
お肌が荒れてしまった方が本当に多いです。
「化粧品が原因なら、
肌断食やったほうがいいの?悪いの?」
皮膚科医として、
そして20年間自ら肌荒れに悩んできた者として、
よく聞かれる質問です。
結論から言うと、
肌断食は“タイミングとやり方”さえ間違えなければ、
肌を育て直すためのとても有効なアプローチです。
ただし、ここにはひとつ大きな落とし穴があります。
それは、
「今、あなたの肌が肌断食に耐えられる状態かどうか」を
見極めないまま始めてしまうこと。
実際に、私のクリニックにも
「肌断食をしたら顔が腫れ上がった」
「カサカサで赤くなって、かゆみが止まらない」
という状態で来院される方が少なくありません。
✔ 肌断食で失敗する人が多い理由
お肌に悩む人の多くは、
すでに角質層が壊れ、バリア機能が低下している状態です。
つまり、「自ら潤う力」が弱っているのです。
その状態で急にすべてのスキンケアをやめてしまうと、
水分が逃げ放題、刺激物は入り放題になり、
肌が悲鳴をあげます。
実際に「顔がかさぶただらけになった」
「ニキビが大量にできた」
「赤く腫れて、化粧どころではなくなった」
という方も多く見てきました。
たしかに、3年くらい我慢すれば
肌が生まれ変わる可能性はあります。
でも、現実的ではありませんよね。
✔ 無理をしない「やさしい肌断食」のススメ
では、肌断食はやるべきではないのでしょうか?
いえ、正しく段階をふめば、
肌の回復力を高める大きな味方になります。
ここでは、私が提案する
「失敗しないための3つの心得」をご紹介します。
♦心得①:洗いすぎない
肌断食の第一歩は、“洗うもの”を見直すことです。
洗浄力の強い合成界面活性剤入りのクレンジングや洗顔料をやめ、
自然のオイルとやさしい無添加石けんだけに切り替えてください。
これがバリア機能回復のスタートになります。
♦心得②:保湿しすぎない
「乾燥するから…」とあれこれ塗るのは逆効果。
必要なときだけ、
防腐剤や界面活性剤を含まないシンプルな保湿剤
(たとえば手作り化粧水やワイエスラボ)を、
最低限で使用しましょう。
♦心得③:触りすぎない・心配しすぎない
肌を回復させる過程では、
一時的に赤みが出たり、皮むけしたり、
ニキビができたりすることもあります。
でもそれは、肌が本来の働きを取り戻そうとする過程。
焦って追加ケアをしたり、頻繁に鏡をのぞいたりせず、
やさしく見守ることも大切なケアのひとつです。
✔ 私の肌回復体験から伝えたいこと
私自身、健康な肌を取り戻すまでは、
肌断食に挑戦しても、悲惨な結果になっていました。
けれど、肌のバリアが整ってからは、
たまに“何もつけない日”を楽しめるようになったのです。
といっても、私は面倒だから塗らないだけ(笑)
でも、それができるようになったのは、
肌が潤う力を取り戻したから。
✔ 肌を「育てる」ための肌断食
肌断食は、“肌を休ませる”のではなく、
「自力で潤う肌」を育てるための土台作り。
そのためには、無理にスキンケアをやめるのではなく、
肌のバリアを守るやさしいステップをふみながら、
“引き算のケア”に切り替えていくことが大切です。
シミやシワが改善すると宣伝されている化粧品に
魅力を感じるのはわかりますが、
真の美肌をつくるのはご自分の自然治癒力だけです。
手作り化粧品やワイエスラボのように、
防腐剤も界面活性剤も一切使わず、
皮膚常在菌を育て自然治癒力を高めるスキンケアは、
肌断食の第一ステップとしても最適です。