美肌ステップ ~第1ステップ-6~

【第1ステップ-6】
「無添加」「オーガニック」「自然派化粧品」の落とし穴
〜“肌にやさしそう”という言葉に惑わされていませんか?〜
「無添加の化粧品を使っているから大丈夫」
「自然派のオーガニックコスメを選んでいるから安心」
──そう信じてスキンケアを続けていても、
肌荒れが一向に改善しない…。
そんな経験はありませんか?
実は、“無添加”“自然派”“オーガニック”といった言葉には、
私たちが思っているほど
厳密な定義や安全性の保証はないのです。
✔ 「無添加」と書いてあっても、化学物質は普通に入っている
「無添加」と聞くと、
“体に悪いものは一切入っていない”
“防腐剤や合成成分が不使用”という印象を受けます。
でも実際には、
「パラベンだけ無添加」「合成香料だけ不使用」といった
一部の添加物を除いただけでも
“無添加”と表示できるのが現状です。
たとえば、
以下のような成分が「無添加化粧品」に
含まれているケースはよくあります:
- ● PEG~(乳化剤、合成界面活性剤)
- ● ポリソルベート~(合成界面活性剤)
- ● フェノキシエタノール(防腐剤)
- ● カルボマー(増粘剤)
- ● 合成ポリマー(皮膜剤)
これらはすべて肌バリアを壊したり、
常在菌バランスを乱す可能性がある化学物質です。
✔ 「オーガニック」や「自然派」も安心とは限らない
同様に、「オーガニック」「自然派」と表示されていても、
それが100%天然成分で作られているとは限りません。
日本では
「オーガニック化粧品」に明確な法的定義がなく、
原料の一部にオーガニック植物成分が含まれていれば、
“オーガニック”と名乗ることが可能です。
製品のベースに合成界面活性剤、防腐剤、シリコーン、
合成ポリマーが配合されていても、
オーガニックコスメとして販売できてしまうのが現状です。
また「天然成分=刺激がない」と誤解されがちですが、
天然でも刺激性やアレルゲンになるものは存在します。
たとえば、精油や植物エキスの中には、
かぶれや赤み、アレルギーを起こすリスクがある成分も
含まれています。
✔ なぜ肌に合わないのに
「やさしい」と感じてしまうのか?
「ナチュラル」「無添加」「自然派」などの言葉は、
肌へのやさしさを連想させるマーケティングワード
として強力です。
そのため、
使用者は無意識に
「これは安全」「これで肌がよくなるはず」と
信じてしまいやすくなります。
しかし、
実際には数週間〜数ヶ月かけて、
じわじわとバリア機能を壊していくケースも多く、
肌が乾燥しやすくなったり、
赤みやかゆみが慢性化していったりすることもあります。
✔ “やさしい化粧品”は、
言葉でなく「成分表」で見極める
「やさしそうな言葉」ではなく、
肌にやさしいかどうかは “成分そのもの”で
判断する必要があります。
本当に肌を守る製品を見極めるには
- ● 成分数はできるだけ少なく(理想は5つ以下)
- ● カタカナの化学成分がずらりと並んでいない
- ● 合成界面活性剤、防腐剤、香料、色素が含まれていない
→お肌磨き研究所【化粧品添加物辞典】で - 調べることができます。
✔ 肌が本当に喜ぶスキンケアとは?
私自身、
かつて“無添加”“自然派”と信じて使っていた製品で、
かえって肌が悪化し続けた経験があります。
そして数年かけてようやく、
「成分がシンプルで、
防腐剤も乳化剤も使わない製品こそが、
肌にとって本当に必要なもの」だと気づきました。
肌にとって最も必要なのは、
「邪魔をしないケア」です。
“足す”のではなく、“守る”こと。
余計な刺激を与えず、肌本来の機能を眠らせないこと。
それが、美肌への最短ルートなのです。
📚参考文献:
- Aerts O, et al. (2020)
Labeling of cosmetic products: “hypoallergenic” does not mean what you think it means
Contact Dermatitis, 82(1), 54–57.
https://doi.org/10.1111/cod.13405 - Draelos ZD. (2010)
Skin care formulations and the “hypoallergenic” and “noncomedogenic” myth
Dermatologic Clinics, 28(1), 111–118. - Kim D, et al. (2021)
Marketing terms in cosmetics: A critical review of consumer perception and ingredient reality
Journal of Cosmetic Dermatology, 20(9), 2890–2896.